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鎮静剤は使ったほうがいい?つらくない胃カメラ検査の方法とは

公開日:2023.06.16

胃内視鏡検査(胃カメラ)は、胃がんやポリープ、炎症などの胃の病気を調べるのに有用な検査です。しかし、オエッとなる嘔吐反射が嫌、怖いというイメージから検査を受けたくないという人は少なくありません。従来の口からの検査ではなく、鼻から挿入する検査方法や鎮静剤を使用することで、嘔吐反射のつらさを和らげることができます。今回は、つらくない胃内視鏡検査の方法について、詳しく解説します。

胃カメラ検査に使用する内視鏡の種類

一般的に「胃カメラ」と呼ばれている胃内視鏡検査は、電子内視鏡という細長いスコープを挿入して食道・胃・十二指腸を観察する検査です。胃内視鏡検査と同様に、胃や十二指腸の状態を調べる目的で行う検査として「バリウム検査(胃部X線検査)」もあります。どちらも胃がんの発見に役立つとして、国の指針にもとづいて実施される胃がん検診で推奨されている検査です。

胃内視鏡検査には、スコープを口から挿入する経口内視鏡と、鼻から挿入する経鼻(けいび)内視鏡があります。大きな違いは、スコープの太さです。一般的に、経口内視鏡の直径は約10mmなのに対し、経鼻内視鏡の直径は約5~6mmと半分程度の太さになっています。

以前の経鼻内視鏡は経口内視鏡と比べて視野が狭く、画質も劣っていましたが、スコープの改良が進み、近年の経鼻内視鏡は経口内視鏡と変わらないスペックとなっています。

当クリニックでは、質の高い画像で微小な病変までしっかり観察できる富士フイルムの内視鏡システムEG-L580NW7を採用しています。スコープ直径が5.9mmと細いため、検査を受ける方の負担を軽減できます。

出典:フジフィルムブランドサイト

胃カメラは口からと鼻から、どっちがラク?

胃内視鏡検査(胃カメラ)で多くの人がつらさを感じるのは、スコープをのどに通す時です。スコープ挿入時の違和感を緩和するため、口から検査する場合はのどに、鼻から検査する場合は鼻腔に局所麻酔を行います。局所麻酔とは、麻酔薬を含んだゼリーを使って部分的に感覚を鈍くするもので、使用する麻酔薬は少量のため、からだへの負担はほとんどありません。検査直前にゼリーをのどに含むなどして5分ほど待機し、麻酔が効いたところで検査を開始します。

経鼻内視鏡検査では挿入したスコープが舌の付け根に触れないため、嘔吐反射が起こりにくく、苦痛が少ない検査方法といわれています。検査中に会話することもできるため、胃内視鏡検査が初めての方でも安心感があります。

ただ、鼻腔の大きさは個人差があり、人によっては鼻から挿入することが難しかったり、痛みを感じたりすることがあるため、不安がある場合は検査を受ける医療機関に相談してみましょう。それぞれの検査の特徴をよく理解して、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査の違い

  経口内視鏡検査 経鼻内視鏡検査
検査中の負担 ・嘔吐反射が起こりやすい(鎮静剤の使用で軽減できる) ・嘔吐反射が少ない
・鼻腔が狭いと痛みを感じたり、出血したりすることがある
検査中の会話 できない できる

胃カメラで鎮静剤を利用するメリット・デメリット

最近では、胃内視鏡検査(胃カメラ)に伴う苦痛や不安を減らすために、鎮静剤の使用を選択できる医療機関が増えています。

鎮静剤とは、興奮を鎮めたり、眠気をもよおしたりする効果のある薬で、麻酔薬ではありません。胃内視鏡検査では、ミダゾラムやプロポフォールなどの鎮静剤を使用することが一般的です。当院では、ミダゾラムを使用しています。鎮静剤を静脈内に注射すると少し頭がぼーっとする感じになり、不安や緊張感が和らぎます。ぐっすり眠って何も覚えていない方もいれば、ウトウトして先生の声は聞こえるけれど苦痛は感じなかったという方など、効き方には個人差がありますが、胃カメラに苦手意識を持つ人でも楽に検査を行うことができます。ただし、お酒をよく飲む人や睡眠薬、精神安定剤を常用している人は、鎮静効果が得られにくい傾向にあります。

鎮静剤を使用すると血圧が下がったり、呼吸が弱くなったりすることがあるため、意識がはっきりするまではモニターを付けてからだの状態を監視します。鎮静剤の効果はしばらく続くことから、検査終了後はリカバリールームで1時間ほど休んでから帰宅することになります。鎮静剤を使った検査後は車やバイク、自転車の運転は禁止されているため、検査を受ける医療機関へ行く際の交通手段に注意が必要です。

当院のリカバリールーム

鎮静剤を使用するメリット

  • 検査に伴う苦痛や不安を軽減できる
  • 検査を受ける人が安静にしていられるため、医師が胃の様子をじっくり観察できる

鎮静剤を使用するデメリット

  • 血圧の低下や呼吸抑制などが生じることがある
  • 一過性の逆行性健忘になることがある
  • 検査後1時間程度は休む必要があるため、検査にかかる時間が長くなる
  • 検査終了後(当日)は車やバイク、自転車の運転ができない

当クリニックでは、苦痛の少ない胃内視鏡検査を目指し、経鼻内視鏡検査や鎮静剤を使用した経口内視鏡検査を選択いただけます。なお、当院では鎮静剤の使用は原則口からの胃カメラの場合のみ行っています。鎮静剤が効いていると鼻からの検査が難しい場合にマウスピースの装着ができなかったり、鼻血が出た際に処置ができなかったりするためです。

初めて検査を受ける方や嘔吐反射が出やすい方、以前検査を受けて苦しかった方は、経鼻内視鏡検査や鎮静剤の使用を検討してみてはいかがでしょうか。当クリニックはJR名古屋駅に直結しているため、鎮静剤を使用した場合でも、帰宅時の交通手段の心配がいりません。 胃内視鏡検査について不安や疑問をお持ちの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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当クリニックでは皆さまのご要望に柔軟に対応できるよう、多様なコースをご用意しています。
どのコースを受けたら良いかわからない場合は、お気軽にご相談ください。

白木 茂博

ミッドタウンクリニック名駅 院長

1979年名古屋市立大学医学部卒業。
同第一内科に入局、関連病院で勤務ののち、中日病院健診センター長、院長、顧問を経て、現職。
日本内科学会専門医/日本消化管学会専門医/日本消化器病学会専門医/日本肝臓学会専門医/人間ドック健診専門医/日本消化器内視鏡学会名誉指導医/日本超音波医学会指導医/博士(医学)

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