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乳がん検診はマンモグラフィと超音波検査、どちらを受けるべき?

公開日:2023.07.22

乳がんを発症する人は年々増加傾向にあり、女性の9人に1人は生涯のうちに乳がんになるといわれています。乳がんは早期発見すれば完治する可能性が高いがんであり、定期的に乳がんがん検診を受けることがとても重要です。今回は乳がん検診で実施される代表的な検査であるマンモグラフィと超音波検査について、詳しく解説します。

乳がんを早期発見することが大切な理由

乳がんは乳腺の組織にできるがんで、多くの場合、母乳の通り道である乳管にがん細胞が発生しますが、乳腺小葉から発生することもあります。がん細胞は時間の経過とともに増殖し、乳管の周囲に広がっていきます。このように、がん細胞が周囲にしみ出るように広がることを浸潤といいます。

がん細胞が乳管の中にとどまっており、浸潤が見られない非浸潤がんの場合、適切な治療を行えばがんが転移・再発することはほとんどないと考えられています。一方、がんが乳管の周囲に広がっている浸潤がんの場合、がんが転移・再発する危険性が高まります。

非浸潤がん(ステージ0)やリンパ節転移のない浸潤がん(ステージⅠ)の場合、5年相対生存率は100%となっています。乳がんは女性がかかるがんの中で最も患者数の多いがんですが、がんが広がる前の早期の段階で発見できれば、完治する可能性が高いがんなのです。また、早期の段階で乳がんを発見できれば、乳房を温存する治療法など、自分が希望する治療法を選択できる可能性も高まります。

早期発見のためには、日頃から乳房の状態に関心を持つことが大切です。入浴時や着替えの際に、自分の乳房を見たり触ったりしてチェックすることを習慣化しましょう。ごく早期の乳がんはセルフチェックでは見つけられないこともあるため、定期的に乳がん検診を受けることも重要です。

マンモグラフィと超音波検査、それぞれの特長とは

乳がんの有無を調べるために行う代表的な検査に、マンモグラフィと超音波検査(エコー検査)があります。マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影(レントゲン)のことで、異常を発見しやすくするために乳房を圧迫板で挟み、薄く広げて撮影します。一方、超音波検査は乳房の表面に超音波を当てて、乳房内の様子を画像化して調べる検査です。

マンモグラフィと超音波検査の違い

  マンモグラフィ 超音波検査
検査の方法 乳房をできるだけ引き出して圧迫板で挟み、薄く広げた状態で撮影する 乳房の表面から超音波を発生する器械を当て、超音波の反射の様子を画像化する
メリット ・視診・触診では見つけにくい小さな病変を発見できる
・超音波検査では発見しにくい石灰化※が確認できる
・乳がんの死亡率を減少させることが科学的に認められており、国の指針にもとづいて実施される乳がん検診の方法として推奨されている
・乳房内にしこりがあるかどうかを診断するのに有効
・被ばくの心配がなく、妊娠中やその可能性がある場合でも検査を受けられる
・痛みなどの体への負担がなく、迅速かつ簡便に行える
・乳腺の密度が高くマンモグラフィではしこりの有無が分かりにくい場合でも、しこりを確認することができる
デメリット ・検査に痛みを伴うことがある
・乳腺の密度が高いとしこりを見つけにくいことがある
・妊娠中やその可能性がある場合は検査を受けられない
・石灰化※を確認するのが難しい

※石灰化:乳房の一部にカルシウムが沈着したもので、乳がんで確認されることがある

乳がん検診ではどちらの検査を受ければいい?

マンモグラフィと超音波検査の特長はそれぞれ異なるため、乳がん検診ではそれを踏まえて検査を受けることが大切です。

40歳未満の若年女性の場合、乳腺が発達しているため、マンモグラフィの画像が全体的に白っぽくなり、しこりの有無が分かりにくいことがあります。こうした乳房を「高濃度乳房」といいますが、このような場合は超音波検査が有用です。当クリニックでは、30歳未満の女性で乳がん検診を希望される方には、超音波検査を推奨しております。

40歳未満の若年女性の場合、乳腺が発達しているため、マンモグラフィの画像が全体的に白っぽくなり、しこりの有無が分かりにくいことがあります。こうした乳房を「高濃度乳房」といいますが、このような場合は超音波検査が有用です。当クリニックでは、30歳未満の女性で乳がん検診を希望される方には、超音波検査を推奨しております。

 

40歳以上の女性は、マンモグラフィの受診を基本とし、互いの検査の弱点を補う目的でマンモグラフィと超音波検査を両方受けることを検討してもよいでしょう。当クリニックでは、マンモグラフィと超音波検査を組み合わせたレディースドックをご用意しています。

また、2023年6月からは、乳がんだけでなく、子宮・卵巣の病気を早期発見するのに役立つ検査が盛り込まれたワンランク上の女性向け人間ドック「ロイヤルレディースドック」を受診いただけるようになりました。

女性に安心して受診いただけるよう、当クリニックでは受診エリアを男女別とし、女性特有の検査は、女性医師・スタッフが対応しております。ご希望に合わせてお選びいただける様々なコースをご用意しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

参考文献

  • 全国がんセンター協議会, 全がん協加盟施設の生存率共同調査(2022年11月集計
  • 国立がん研究センター, がん情報サービス 最新がん統計
  • 国立がん研究センター, がん情報サービス 乳がん

人間ドックコース・料金

当クリニックでは皆さまのご要望に柔軟に対応できるよう、多様なコースをご用意しています。
どのコースを受けたら良いかわからない場合は、お気軽にご相談ください。

森山 紀之

医療法人社団進興会 理事長

1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

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