コラム

Colum

がん検診はなぜ必要?知っておきたい5つのがん検診

2024.06.25

カテゴリー:

がん検診はなぜ必要?知っておきたい5つのがん検診の画像

日本人の2人に1人がかかると言われる、がん。早期の場合は自覚症状に乏しいことから、症状がなかったとしても、がんの疑いがあるかどうかを調べる「がん検診」を受けることが重要です。今回は、国が推奨するがん検診(対策型検診)の種類やがん検診の受け方について詳しく解説します。

がん検診はなぜ必要?

がんは日本人の死因の第一位であり、がんが原因で死亡する確率は男性で25.1%、女性で17.5%とされています(※1)。がんの種類別にみると最も死亡数が多いのは肺がんで、次いで大腸がん、胃がんとなっています。
がんはさまざまな要因によって発症すると考えられておりますが、その中には生活習慣の改善で予防ができる要因も多く含まれています。日本人のがんの原因として多いのは「喫煙・受動喫煙」「感染」などです。
男性に多い「喫煙(受動喫煙を含む)」は、肺がんのほか、食道がんや胃がん、すい臓がんなどさまざまながんの原因となることが科学的に明らかにされており、がんを予防するには禁煙が最も効果的です。また、女性に多い「感染」が原因となるがんには、B型・C型肝炎ウイルスによる肝臓がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がんなどがあります。

国立がん研究センターがまとめた「日本人のためのがん予防法」では、禁煙、節酒、バランスの良い食事、適度な運動、適正体重の維持という生活習慣の改善に加え、感染症の検査を受けることががんのリスクを下げることにつながるとされています。
こうした健康習慣を実践することでがんのリスクを下げることはできますが、それでも100%がんを防ぐことはできません。最新のデータによると、一生のうちにがんと診断される確率は、男性では65.5%、女性は51.2%といわれています(※1)。ただし、仮にがんになったとしても、今は早期発見すれば完治を目指すことができます。
早期発見のためには定期的にがん検診を受けることが重要です。がん検診の目的は、がんを早期に発見して治療につなげ、がんによる死亡率を低下させることです。早期発見によって治療による負担が軽くすむことや、検診で「異常なし」と診断されることで安心して生活できることもがん検診のメリットです。

がんの死亡率を下げるための5つのがん検診とは

がんの死亡率を下げるための5つのがん検診とはの画像

日本のがん検診には、国が推奨し、市区町村などで実施される「対策型検診」と、個人の判断で受診する「任意型検診」があります。

・「対策型検診」
対策型検診は国民全体の死亡率を下げることを目的としているため、検診の対象となるがんの種類や対象者の年齢、検査方法など健康増進法に基づいて市区町村が実施しています。

・「任意型検診」
任意型検診は、対策型の「がん検診」以外のもので、主に検診機関や医療機関で行う人間ドックのことです。個人の判断での受診のため、年齢や検査項目の指定などもなく、より精度の高い検査を自由にお選びいただけます。

ここでは「対策型検診」として、現在国が推奨している5つのがん検診をご紹介します。 国が推奨している5つのがん検診の画像

【関連記事】
胃がん(胃カメラ・バリウム検査と異常が見つかった場合の精密検査)

大腸がん(早期発見のために知っておくべき大腸がんの症状と検査)

肺がん(肺がんはどんな初期症状が現れる?肺がんの症状、早期発見のための検査)

乳がん(乳がん検診はマンモグラフィと超音波検査、どちらを受けるべき?)

子宮頸がん/子宮がん(20歳以上の女性は受けておきたい子宮がん検診とは)

がん検診の受診率、実際はどのくらい?

日本では高齢化の影響もあり、がんになる人が毎年増加している一方、がん検診の受診率は残念ながら欧米各国に比べても高くありません。国の「がん対策推進基本計画(第4期)」では、がん検診受診率の目標を60%以上と定めていますが、いずれのがん検診も受診率は少しずつ上ってきているものの目標値の60%に届いていない状況です。

がん検診の受診率の推移(※2)

がん検診の受診率、実際はどのくらい?の画像

がんは早期発見して治療を行えば、生存率は90%以上というケースも少なくありませんが、発見が遅れると治癒が難しくなります。また、発見の遅れによってがん治療による身体的・精神的・経済的負担が大幅に増えます。がんは早期発見が有効です。検診で症状がない早期の段階でがんをみつけるためにも、国が推奨するがん検診の対象年齢になったら、必ず受診するようにしましょう。

また、近年では若い年代でがんになる人も増えつつありますが、こうした年代では、国が推奨する5つのがん検診は対象年齢外です。結婚や出産など人生の節目のタイミングで人間ドックを受けるなどして、万が一に備えることもおすすめです。

がん検診はどうやって受ければいい?

がん検診はどうやって受ければいい?の画像

がん検診は職場などで実施する健康診断には含まれていないため、毎年健康診断を受けただけではがん検診を受けたことにはなりません。ただ、国が推奨するがん検診の対象年齢の方には、通常の健康診断と併せてがん検診を受診できるようにしている会社も多いため、健診の案内が届いたらまずは検査内容を確認してみましょう。
職場でがん検診を受けられない場合は、お住まいの市区町村が実施するがん検診を活用するほか、個人で検診機関や医療機関にがん検診を申し込むことになります。

がん検診の案内は市区町村から郵送されてくることもありますが、案内が来ない場合はお住まいの市区町村のがん検診窓口やホームページ、広報誌などをチェックしてみてください。
市区町村が実施するがん検診は費用の補助がある場合が多く、廉価で検診を受けることができます。自治体によって自己負担額が異なりますが、名古屋市ではワンコイン500円の自己負担金でがん検診を受けられます。
がん検診自体は市区町村から委託された協力医療機関で実施するため、希望する医療機関へ直接連絡し、がん検診の予約を行う必要があります。当院は名古屋市がん検診の協力医療機関となっています。

【名古屋市がん検診(ワンコイン検診)】
当院で全てのがん検診を実施しています。
名古屋市がん検診

がん検診の結果で、「要精密検査」と判定された場合はより詳しい検査を受診することも重要です。
精密検査では、スクリーニングよりも詳しく臓器の様子を確認できるCT検査や内視鏡検査などを実施します。当院でもこうした精度の高い検査機器を完備していますので、万が一「要精密検査」と判定された場合でも、そのまま当院で精密検査を受けていただくことが可能です。

そのほか当院では、三大疾病(がん・脳血管疾患・心疾患)の早期発見を目指したプレミアムドックに、全身のがんを一度に調べることができるMRI検査[DWI法]を加えた「プレミアムDWIドック」など、より幅広い検査項目によりがんを早期発見するための各種人間ドックコースもご用意しています。名古屋市がん検診の受診をご希望の方はもちろん、人間ドックをご検討中の方も、ぜひお気軽にご相談ください。

【関連記事】
がんを早期発見するために。知っておきたいがんのコト

全身がん検査、全身MRI検査(DWIドック)とは?

【関連リンク】
おすすめ人間ドックコースはこちら

参考文献
(※1)国立がん研究センター, がん情報サービス 最新がん統計
(※2)出典:第89回がん対策推進協議会(令和5年7月10日) 参考資料7

=============

alt=記事監修者:
医療法人社団 進興会 理事長 森山紀之

プロフィール:
1973年千葉大学医学部卒。
元国立がん研究センター がん予防・検診研究センター センター長、
東京ミッドタウンクリニック常務理事 兼 健診センター長を経て、現職。

おすすめ情報

Recommended information

ご予約・お問い合わせ

Contact

人間ドック・健康診断
完全予約制

052-551-1169

電話受付 : 月〜土 9時~18時(祝日除く)

当院では音声ガイダンスを導入しています。予約に関するお電話は『1』、外来に関するお電話は『2』、企業検診ご担当の方は『3』を押してください。

ご質問などは、以下お問い合わせフォームより
お願いいたします。

ページの一番上へ

閉じる